1.バイオプラスチックとバイオマスプラスチックの関係
バイオプラスチックとは、生物(動植物)に由来する再生可能な有機資源=バイオマスを原料とするバイオマスプラスチックと、微生物等の働きで最終的に二酸化炭素と水にまで分解可能な生分解性プラスチックの総称です。
バイオプラスチックとバイオマスプラスチックは混同されることがありますが、バイオプラスチックの一部として、バイオマスを原料とするバイオマスプラスチックがあります。

バイオプラスチックとは、生物(動植物)に由来する再生可能な有機資源=バイオマスを原料とするバイオマスプラスチックと、微生物等の働きで最終的に二酸化炭素と水にまで分解可能な生分解性プラスチックの総称です。
バイオプラスチックとバイオマスプラスチックは混同されることがありますが、バイオプラスチックの一部として、バイオマスを原料とするバイオマスプラスチックがあります。
バイオマス原料としては、サトウキビやトウモロコシ、もみ殻などの植物由来原料や糖質資源の他、林業残材や食品廃棄物、廃食用油などがあります。
例えば、ブラジルのBraskem社は、サトウキビから抽出したバイオエタノールを原料としてバイオマスプラスチックを作っています。また、フィンランドのNESTE社は、使用済み食用油などバイオマス資源由来のナフサを生産しており、日本でもバイオナフサを原料とした化学品やプラスチックの生産が始まっています。
バイオマスプラスチックの生産方式としては大きく2つに分けられます。
セグリゲーション方式 (分別管理方式) |
バイオマス原料とそうでない原料を、物理的に完全に切り分けて生産・管理する方式。 |
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マスバランス方式 (物質収支方式) |
バイオマス原料とそうでない原料を混合して生産する場合に、バイオマス原料の投入量に応じて、製品の一部に対してバイオマス特性を割り当てる方式。 |
※ (出展)環境省「マスバランス方式に関する国内外の状況等」
https://www.env.go.jp/content/000143869.pdf
セグリゲーション方式での生産は、バイオマス原料投入から製品に至るまで物理的に切り分けた管理となるため、生産されたバイオマスプラスチックにはバイオマス由来成分が確実に含まれることになります。但し、生産可能なプラスチックの種類は限定的で大規模な生産は難しいといった課題があります。
マスバランス方式での生産は、バイオマス原料と石油由来原料は生産工程の中で混ざり合い、区別がつかない状態になりますが、生産されたプラスチック製品に対し、投入したバイオマス原料量に応じて「バイオマス原料である」という特性を割り当てることができます。
上記のバイオナフサを原料として化学品やプラスチックを生産する場合にも用いられ、バイオナフサ原料由来のプラスチックを生産する場合は、既存設備の利用が可能でき、従来の石油由来原料と同じ設備・加工条件を維持したまま生産することができます。
化石資源ではないバイオマスを原料とするバイオマスプラスチックを使用することで、二酸化炭素の増加を抑制することに繋がるとともに、化石資源の使用量削減にも繋がります。
日本では2021年に環境省が「プラスチック資源循環戦略」を策定し、その中で、「2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入」という大きな目標を設定しました。更に、2030年までにバイオマスプラスチックを最大限導入するべく、「バイオプラスチック導入ロードマップ」も策定されました。ただし、2024年現在、普及が進みつつあるプラスチックの種類は限定的で、目標達成に向けて順風満帆とはいえません。
PSジャパンでは、マスバランス方式でのバイオマス品供給体制を整備し、お客様の共感を得ながら普及の取り組みを推進しています。マスバランス方式でのバイオマス品は、バイオマスプラスチック普及に際しての技術的課題を解決し、現実的に、お客様のカーボンニュートラルのニーズに応えられるものであると考えているからです。
具体的には、2022年に千葉工場でISCC PLUS認証を取得し、次いで2023年には水島工場含めた全拠点での認証を取得し、全拠点・全グレードにおいて、マスバランス方式でのバイオマスポリスチレンを供給できる体制を整えました。同年には、国内ポリスチレンメーカーとして初めてマスバランス方式を採用したバイオマス割当ポリスチレンを出荷し、以降、食品包装容器向けを中心に出荷量を増やしています。
引き続きバイオマスポリスチレンの幅広いお客様への供給を通じて、バイオマスプラスチックの普及とカーボンニュートラル実現に貢献していきます。バイオマスポリスチレンにご興味がありましたら、気軽にご相談ください。
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